2018年 07月 27日
1年越しの(C日記⑦ 27日め) |
金曜の会社帰りは、Fさんの夏風邪で延期していた暑気払いへ出かけた。行ったお店はわたしの希望でとあるスペインレストラン。五月のほろ酔い工芸のおつまみがこのお店提供でもありました。このお店の存在に気づいたのは一年前に遡ります。今週また巡ってきてお参りに訪れたのとおなじ、去年の天神祭で見つけたお店です。高さの低い天井のこじんまりした、西洋風の骨董屋さんか何かのような佇まい。ショーウィンドーには面白そうなものが並んでいます。入ると土間になり、一段上がった板張りのフロアにテーブルが数席、小さいカウンター席。入るのはせいぜい十数名の小さな西洋食堂、バルと云った感じでしょうか。落ち着いた茶系ストライプの、光沢のあるファブリックのクッションが、テーブル席の壁側の長椅子席には置かれ、シックで素敵で目を引きました。世の中には器用なひとがいるもので、驚くことに店全体が手作りだそう。そういうのからっきしのわたしは憧れちゃいます。まだ若き娘さんが店主を勤めていて、それを補佐するため週末だけ店に駆けつけるのが、シェフであり元来アーティスト気質であるお父さんだそうですが、たぶんその娘さんも競作だと思われますが、お父さんの手作りだそうです。
実はこのお店、その店名とスペイン料理という組合せから、むかし知っていたお店との符合を感じて、もしやと去年はつよく興味が引かれながら、クローズしていた店の前を通りすぎたのでした。木に絵の描かれた看板も可愛くて惹かれました。行ってみたらサングリアの壺は、むかしよく行ったその店と同じものです。お皿も好きだった、とりどりの絵柄のカラフルなもので、聞いたらどちらも当時と同じものを使っているそう。二人だけで仕切っているのか、何度も料理を運んできたり下げたりと、シェフ自ら、テーブルを甲斐甲斐しく行き来されるときに、もしかしてと訊ねお父さんのシェフに聞きました。むかし地下に降りるお手洗いに行くときに、ワインセラーがあった場所だそうですが、大きな日本で言う長持ちのような、洋風の大きな箱がありましたよねと、聞いたら衣装入れだったそう。あれもじぶんが作りましたと言っていました。
そうそう、わたしはこのシェフに二十代半ば過ぎに、当時習っていたお料理教室に、先生がゲストに呼んでパエリヤを習ったことがありました。一度そんなことがあった、(先生のことを)ああ○○(地名)の人だったよね、と思い出してくれました。わたしはあのパエリアがデフォルトの味になってしまったので、よそで人が美味しいというのを食べても、まだ一度も美味しいと思ったことがなくていました(夏休みにレシピ見つけて久しぶりに作ろう)。その本家本元も食べられたし、メニューに載ってなかったガスパチョ(こちらもかつての店で人生初体験した味)も、店主に言ってみたらある材料で、出来たかなぁなどと云って、気軽にセットで頼んだメニューの、スープに代えてくれました。ああ念願かなった。前のお店は機会を捉えては、少し松本からは離れた場所にも関わらず、何度も何度も繰り返し行きました。こちらも虎視眈々と次回をうかがい、可能な限り多く訪れたいと今は思うしだい。写真は撮り忘れましたがこれから何度も行くつもり。それはまたいつかの機会に。
Fさんとのお喋りは、同じお店で三時間ばかりいるあいだ、途絶えることなく、いつものように楽しく、あっという間に過ぎた。近く旅行にグルジアに行くのだとか。サマルカンドとか、何でも青のタイルが美しく、有名なところなんだとか。わたしは海外なんて次はいつ行けるのかなぁ、いいなぁと気楽にFさんには言える。同じボランティア仲間だったけれど、Fさんはそのボランティアはやめられ、今はたまに二人でこうして会うようになった。そうしているうちに、だんだん気兼ねが前よりなくなってきた、楽な年上の友だちのようになった。わたしが今は読書会に参加したくなってきていて、本好きのF さんに、ねぇねぇ主宰してよと、今回初めて持ちかける。えー、むりむり、やるなら協力するよと、断られた。えー、そんなこと言わずにやってよ、また口説くからねと、笑って終わった。あー、実現するといいんだけどな。
まぁ、そんな感じ。今2時過ぎ。このあと台風はどうなるのだろうか。朝方につよく雨が降ったが、そのあとは晴れないが止んでいる。風は出てきたような。予定なら家のそとに出たら見られるくらいの、距離の近くで恒例の花火大会だが、たぶん中止になるのかな。平成最後の夏なのに残念な気もするが、台風が各地に大した被害をもたらさなければ、何よりの幸いと願いよしとしよう。今日のところはこのあたりで。読んでくれたひとにはほんとうにありがとう。新しい日が、この土曜日がまた、みなさまにもわたしにも、それぞれによくありますようにね
by 828summer
| 2018-07-27 16:22
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